キャストインタビュー 山本春王・はまいずみ|キャンパスアクター

左:はまいずみ(はま・いずみ)愛らしいルックスと持ち前の明るさで女子高校生役を熱演。「お芝居が好き」という気持ちを全身で表現する女優魂が魅力。

右:山本春王(やまもと・はるおう)キャンパスアクターズのさまざまな公演を経験。多様な役柄を演じ分け、高校生の視線を集める個性派役者。

進路選択について真剣に考えてもらう
それがフューチャーライブの役割

生徒の反応がダイレクトに伝わる〝生きた演劇〟だからこそ面白い

― 演劇的要素を取り入れたフューチャーライブについて教えてください。

山本 フューチャーライブとは、高等学校内で進路について楽しく考えてもらう演劇です。通常の演劇は脚本があって、劇場やステージなどで演者がお芝居を魅せるものですが、フューチャーライブとの一番の違いは観客が「お芝居を見たい」と思って自発的に来場している点です。誤解を恐れずに言えば、フューチャーライブは「授業の一環」「先生に言われたから」と受け身で見ている生徒さんが少なからずいる中で、自分たちの芝居でどれだけ強く惹きつけることができるかが勝負なんです。

はま フューチャーライブにもきちんとした台本はあるのですが、その通りに演じることが正解とは限りません。部活動や受験勉強など、忙しい高校生活の中で見てくれている生徒さんに「面白い! 」と自然に思ってもらうには、その場の雰囲気に合わせていく必要があるんです。ときにはアドリブを混ぜてギャグを飛ばしてみたり、静かな現場では優しく語りかけたり。その場の判断で使い分けるようにしています。

― まさしく〝ライブ〟といった印象です。

山本 高校によって演じる環境はまったく異なってくるので、一回一回を全力で演じています。また、演じる場所は体育館や教室など、さまざまですので、声の張り方や身体の使い方にも気を配っています。生徒さんの反応があまり良くないと感じた日は、いつも以上にオーバーアクションで表現をして注目を集めて、笑いを誘ったりしていますね。そうやって工夫することで、自分たちに視線が集まってくると、嬉しくなります。そして、そこから僕たちの"本題"が始まるのです。

はま 私たちにとって一番大切なことは、演劇を通して「進路を考える」ということ。台本に込められた大切なメッセージを伝えられるよう、一言ひとことに責任感を持って表現しています。セリフの中には、進路選択を進める上で重要な説明がありますので、その意味を間違って伝えることはできません。
例えば、奨学金に関する演目は、制度や仕組みについて一定の知識を持っていないとうまく伝えられません。演劇を「楽しかった」だけで終わらせず、見終わった後に進路について真剣に考えてもらう。それが私たちキャンパスアクターズに課せられた大事な使命なのです。

キャンパスアクターズが振り返る 思い出深い、あの日の公演

― いままで経験してきた中で、印象的だった公演はありますか?

山本 すべてが印象的で、どの公演も忘れ難いものばかりです。全国でフューチャーライブを経験させてもらっていますが、土地によって高校生の反応がまったく違うんですよ。一見、無反応なようでいながらも、終演後に「感動した」「進路について考えるようになった」と声をかけてくれたり、一生懸命拍手をしてくれる姿を目の当たりにすると役者冥利に尽きますね。

はま 私も同じ経験があります! ある高校の公演で、生徒を惹きつけることができず、ざわついてしまったことがありました。終演後、「今日は上手くいかなかった」と落ち込んでいたとき、何人かの生徒さんが私のところにやってきて「お芝居、すごく感動しました」って話しかけてくれたんです。その瞬間、どんなときでも役者が誠心誠意を込めて演じていれば、想いは伝わるのだと実感しました。
最近はツイッターなどのSNSで「面白かったです」とコメントをくれる生徒さんもいるほどです。このときの経験があったからこそ、一つひとつの公演を大切にしようと気を引き締めるようになりました。

キャンパスアクターズの過去 私たちが歩んできた進路について

― 普段も演劇活動を行っているのですか?

山本 私は自分の劇団を持っていますので、そこで現在も活動を行っています。
もともとは声優志望で演技の道に進もうと決めていたのですが、演劇の面白さにハマってしまい、専門学校卒業後も役者として活動していました。でも、一度だけその夢をあきらめ、会社員として勤務したこともあります。演技の世界を離れてみて、自分自身と向き合った際、本当にやりたかったことは演劇なのだと自覚しました。再びこの世界に戻ってきました。お笑いライブに出演したり、エキストラを演じたり、さまざまな経験を通じて、「芝居で人のためになることをしたい」と考えるようになったんです。そんなある日、出合ったのが「キャンパスアクターズメンバー募集」のお知らせでした。「高校生の進路を考える演劇」という部分に強く惹かれ、「これが自分のやりたかった演劇だ! 」と強く確信し、挑戦することに決めました。

はま 私は山本さんとの出会いがきっかけで演劇の道に進みました。もともと人見知りが激しくて、人前に立つのも苦手なタイプだったのですが、女優という仕事に強い憧れがあり、挑戦してみたいと思っていました。しかし、進路選択の際、両親に相談したところ反対をされてしまい、大学進学に変更をしました。学生生活は充実していたのですが、就職活動期に入った際、「本当に自分がやりたいことは何なのか」が分からなくなってしまったんです。自分自身と向き合って考えた結果、「やっぱり演劇の道に進みたい」と覚悟ができました。それ以来、山本さんと一緒に演劇活動を行っていますが、やりたいことができているので、毎日が充実していて、本当に楽しいです。

後悔しない進路選択のために 未来を決めるのは自分自身

― 進路を模索する高校生へメッセージをお願いします。

はま これまでの人生で後悔することがあったとするならば、「なんとなく進学してしまったこと」です。「自分が何を勉強したいのか」「将来どんな人間になりたいのか」といったことを深く掘り下げることをしてきませんでした。だからこそ、演劇の世界に進むまで時間がかかってしまったのだと思います。
私にとっては必要な経験でしたので、決して無駄ではありませんが、高校生のみなさんには、「自分を知ること」が進路選択につながるのだと知って欲しい。そうすれば、自ずと選択の幅も絞り込まれてきますし、やりたいことに迷うことも少なくなると思います。もちろん、自分のことが分からないという方もいると思いますが、毎日の高校生活を過ごす上で、意識することから世界が変わってくるのだと思います。

山本 「自分を知ること」と同時に、「社会を知ること」も意識できると良いですね。いまはインターネットを活用してさまざまな情報が集められますので、興味がある仕事や職業を調べ、社会の構造を理解していくことが大切です。 例えば、テレビや映画の業界には、役者やディレクター、音声、作家などのクリエイティブな部分に加えて、宣伝や営業、会計など事務的な仕事もあるのです。そういった周辺領域の仕事を理解した上で、進路選択をすることができれば、より満足いく結果が得られるのではないかと思います。

はま フューチャーライブでは、さまざまな演目を用意していますので、みなさんの進路選択に役立つパフォーマンスをどんどん発表していきたいです。

山本 これからもキャンパスアクターズをよろしくお願いします。みなさんの高校でお会いできる日を楽しみにしています。